東洋医学的に見た【冷え】

前回は、冷えによって起こる不調についてでしたが、今回は漢方的に見た「冷え」についてお伝えしたいと思います。

漢方では、からだのバランスは「気」「血」「水」という3つの要素によって成り立っていると考えます。
この3要素が、過不足なく、きちんとからだを巡ることによって、心身の健康が保たれていると捉えます。

「気」:心身の活動に必要な生命エネルギー
「血」:血液と栄養
「水」:血液以外の体液や分泌液などの水分

これら3つの要素のうち、ひとつでも働きがおかしくなると、すべてのバランスと循環が狂い、不調や症状として現れるとしています。ですから、「冷え」を漢方で捉えるとき、冷えているの場所や、冷えと熱が混在する場所などをてがかりに、「気」「血」「水」という要素の過不足や巡りがどうなっているのかを探り、冷えの原因を明らかにしていきます。


「気」の乱れ
漢方では、「陽気」には身体を温める働きがあると考えますが、冷房や冷たいものの摂り過ぎなどにより、体内の陽気を消耗すると、身体が冷えやすくなってしまいます。また、気が乱れると、下半身が冷えて上半身がのぼせる症状が起こります(冷えのぼせ)。

「血」の乱れ
激しい温度差のある屋外と屋内を繰り返し出入りすることに身体が対応できず、血が停滞すると、血行不良により骨盤内や下腹部の冷え、手足の冷えなどが起こります。しびれや痛みを伴う冷えのタイプです。
また、「血」は全身をめぐって身体を温めているため、女性の冷えは「血」の不足が関係していることも多くみられます。貧血や虚弱体質、脾胃の不調などで血が不足すると、とくに手足の冷えや顔色の悪さにつながります。

「水」の乱れ
水が停滞すると、「脾胃(ひい)」(消化器系)の機能低下が起こります。脾胃は、食べものから栄養を吸収し、「気」や「血」を生み出す大事な臓ですので、十分な「気」「血」が作られず、全身の倦怠感や頭痛、不眠、食欲不振といったさまざまな症状が現れるようになります。


本来、暑い夏には汗をかいて体温調節をするのが自然なことですが、昨今のあまりの猛暑に、ついつい冷たいものを摂り過ぎたり、冷房をきかせすぎたりしてしまい、結果的に体を冷やしすぎてしまう方も多くいらっしゃるようです。夏の「冷え」は、体力や食欲が回復する秋に入っても疲れが残る「秋バテ」を招いてしまいます。不調を秋まで引きずらないためにも、冷房の効いた部屋では長袖を一枚羽織ったり、上手に汗をかいたり、冷やし過ぎていない飲みもので喉を潤したり、ぬるめの炭酸浴で血行を良くしたり、暑い夏の内から冷え改善につとめ、自然な暮らしを心がけましょう。

たとえ同じように見える「冷え」であっても、その原因により、おすすめする漢方薬や生活指導は異なります。

漢方サロンりんどうでは、おひとりおひとりの現在の状態を把握し、「気」「血」「水」の過不足を補い、巡りの滞りを調整することで、冷えの改善をはかります。

カウンセリングと漢方整体による内外からのケアに加え、生活の中で改善できること学べるセミナーや、シルクの腹巻きやレッグウォーマーなども販売しております。お気軽にお立ち寄り下さい。

2017年7月24日 カテゴリー:健康・美容

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