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妊婦健診で「妊娠糖尿病の疑いがあります」と言われ、不安を感じていませんか?妊娠糖尿病は妊娠中に初めて発見される糖代謝異常で、決して珍しい病気ではありません。適切な管理を行うことで、多くの方が無事に出産されています。
本記事では、妊娠糖尿病の原因や症状、赤ちゃんへの影響、食事管理のポイントについて詳しく解説します。
【この記事の監修医師】
片山 典子
りんどうオンラインクリニック 産婦人科医
片山産婦人科 院長
経歴
2005年に医師免許取得。岡山県内、鳥取県内の総合病院で産婦人科医を歴任し、2021年より片山産婦人科に勤務(現院長)。2023年より、りんどうオンラインクリニックの産婦人科医を務める。
監修医からのコメント
全ての女性がココロもカラダも健やかに過ごすことができ、家族全員、そして地域全体の人々の健康につながるようサポートできればと思っています。今ある症状を改善するだけでなく、日々の生活習慣を見直し、根本から「不妊にならない」「病気にならない」「病気を繰り返さない」カラダづくりを目指す支援をしていきます!
【この記事でわかること】
目次
妊娠糖尿病とは、妊娠中に初めて発見または発症する血糖値の上昇(糖代謝異常)のことです。自覚症状がないため妊婦健診で発見されることが多く、全妊婦の12%程度の割合で発症していると言われています。
妊娠中は赤ちゃんを育てるために、胎盤から分泌されるホルモンなどの影響で、上がった血糖値を下げる役割のインスリンの働きが弱くなります。通常は、すい臓がインスリンの分泌量を増やして血糖値を調整しますが、インスリンの分泌が追いつかない場合に妊娠糖尿病を発症することがあります。
また、妊娠糖尿病には体質や家族歴、年齢、肥満、妊娠中の体重増加など、さまざまな要因が関係します。甘いものや糖質の多い食品を日常的に多く摂取していると、食後の血糖値が上がりやすくなるため、妊娠中は食事の内容や量に注意することが大切です。
妊娠糖尿病になりやすい人には以下のような傾向が見られます。
ただし、これらに当てはまらない方でも妊娠糖尿病を発症することがあります。
妊娠糖尿病を発症すると、おなかの赤ちゃんの血糖値も高くなり、母児ともにさまざまな合併症を引き起こすおそれがあります。
母体の血糖値が高い状態が続くと、赤ちゃんにも糖が多く送られます。その影響で赤ちゃんが大きく育ちすぎ、出生体重が4,000g以上となる巨大児になることがあります。
また、生まれた後に赤ちゃんの血糖値が急に下がる新生児低血糖が起こるケースもあります。これは、妊娠中に高血糖の環境にいた赤ちゃんが、出生後に母体からの糖の供給を受けなくなることで起こりやすくなります。
そのほか、呼吸障害や黄疸などが見られることもあり、赤ちゃんへの影響をできるだけ少なくするためにも、妊娠中から血糖値を安定させることが重要です。
妊娠糖尿病によって赤ちゃんが大きく育ちすぎると、分娩時に難産になりやすくなります。さらに、母体の産道まわりに脂肪がつきやすくなることもあり、自然分娩が難しくなった場合には帝王切開が検討されることもあります。
妊娠糖尿病を発症したとしても、出産後に血糖値が正常に戻るケースも多いですが、将来的に2型糖尿病を発症するリスクは高いといわれています。出産後も定期的に血糖値を確認し、生活習慣を見直すことが大切です。
妊娠糖尿病と診断された場合でも、必要以上に不安になる必要はありません。医師の指示に従って血糖値を適切に管理することで、母体と赤ちゃんへのリスクを軽減できます。
妊娠中は、赤ちゃんの成長のためにたんぱく質、ビタミン、ミネラル、食物繊維などをバランスよく摂る必要があります。豆類、ゴマ、海藻類、野菜、魚、きのこ類、芋類などを取り入れながら、必要な栄養をきちんと補いましょう。
一方で、糖質を一度に多く摂ると食後の血糖値が上がりやすくなります。そのため、1日の食事を4〜6回に分けて食べる「分割食」が推奨されることがあります。1回あたりの食事量を抑えることで、食後の血糖値の急上昇を防ぎやすくなります。例えば、食事内容は以下のような組み合わせが考えられます。
ただし、適切な食事量や糖質量は、妊娠週数や体重、血糖値の状態によって異なります。自己判断で極端に食事量を減らすのではなく、医師や管理栄養士の指導を受けながら調整しましょう。
血糖値の急上昇を防ぐためには、食事の内容だけでなく、食べ方も重要です。ポイントは「食べる順番」と「食べるスピード」です。
食事の際は、野菜、海藻、きのこ類など食物繊維の多いものから食べ始め、次に肉・魚・卵・大豆製品などのたんぱく質、最後にご飯やパンなどの炭水化物を食べるように意識しましょう。食物繊維を先に摂ることで、糖の吸収がゆるやかになり、食後血糖値の上昇を抑えやすくなります。
また、早食いは血糖値が急激に上がる原因になります。ゆっくりよく噛んで食べることで満腹感も得やすくなり、食べすぎの予防にもつながります。
主食を選ぶ際は、白米やうどん、白いパンよりも、玄米、そば、全粒粉パンなどを取り入れると血糖値の上昇がゆるやかになりやすいとされています。ただし、低GI食品であっても食べすぎれば血糖値は上がるため、量には注意が必要です。
妊娠糖尿病と診断された場合に避けたいのは、極端な糖質制限です。糖質を極端に減らすと、母体が脂肪を分解する過程でケトン体が増え、赤ちゃんに影響する可能性があります。炭水化物は完全に抜くのではなく、量や食べ方を調整しながら適量を摂ることが大切です。
また、清涼飲料水やジュース類の飲みすぎにも注意しましょう。これらには多くの糖分が含まれているため、血糖値が急激に上がる原因になります。のどが渇いたときは、水や麦茶など糖分を含まない飲み物を選ぶようにしましょう。
医師から運動を制限されていない場合は、食後に軽く体を動かすことも血糖管理に役立ちます。食後30分〜1時間は血糖値が上がりやすい時間帯です。このタイミングで10〜15分程度の散歩をすると、血液中のブドウ糖がエネルギーとして使われ、血糖値の上昇を抑えやすくなります。
ただし、お腹の張り、出血、めまい、体調不良がある場合は無理に運動をしてはいけません。妊娠中の運動は、安全を最優先にし、必ず医師の指示に従って行いましょう。
食事療法や運動療法を行っても血糖値のコントロールが難しい場合は、自己血糖測定を行いながら、インスリン注射による治療が検討されます。
インスリン注射と聞くと不安に感じる方もいますが、インスリンは赤ちゃんに直接悪影響を与えるものではありません。母体の血糖値を適切に管理し、赤ちゃんを守るために必要な治療です。
妊娠糖尿病の場合、出産後に血糖値が改善し、インスリン治療を中止できることも少なくありません。ただし、将来的に2型糖尿病を発症するリスクは高くなるため、出産後も定期的に血糖値を確認することが大切です。
妊娠糖尿病を発症した場合、出産後に症状はどのように変化するのでしょうか。
出産後はインスリンの働きを妨げていたホルモンがなくなるため、通常は産後数日から1週間程度で血糖値は正常に戻ります。そのため、インスリン治療が不要になるケースも少なくありません。
妊娠糖尿病を経験した妊婦さんは、将来的に2型糖尿病を発症するリスクが約7.4倍高くなると言われています。産後も定期的な検査と、バランスの良い食事と適度な運動を続け、体重を適正に保つといった生活習慣の継続が必要です。
将来的に2人目、3人目の妊娠を希望される場合、妊娠糖尿病の再発リスクは高いため、妊娠初期から血糖値のチェックが必要になります。妊娠前からの体調管理として上記の生活習慣を継続しておきましょう。
妊娠糖尿病について多く寄せられる質問とその回答をご紹介します。
A.自然分娩が可能なことが多いです。ただし、妊娠糖尿病の管理が重要です。
A.必ずしも入院が必要というわけではありません。多くの場合、食事療法や運動療法で血糖値のコントロールが可能です。ただし、それだけでは血糖のコントロールが難しい場合、合併症のリスクがある場合、インスリン治療が必要な場合は入院して管理することがあります。
果物を食べることは可能ですが、糖分が含まれているため以下のポイントに注意しましょう。
A.妊娠糖尿病自体が直接赤ちゃんに遺伝するわけではありません。ただし、赤ちゃんは以下のようなリスクがあることが知られています。
妊娠中は体調や血糖値の変化に不安を感じやすい時期です。食事や生活習慣を見直しても、「自分に合った整え方が分からない」「妊娠中の体調管理について相談したい」と感じる方もいるでしょう。
漢方サロンりんどうでは、一人ひとりの体質や生活習慣を丁寧に確認しながら、妊娠中・出産後の体づくりをサポートしています。妊娠糖尿病の治療は医師の診断・管理が基本となりますが、日々の食事や体調管理について不安がある方は、無理をせず早めにご相談ください。
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