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妊活中の男性の中には、「精子は熱に弱いと聞いたけれど本当?」「夏の暑さやサウナは避けた方がいい?」と気になっている方も多いのではないでしょうか。
精巣は体温より低い温度に保たれる構造になっており、熱と精子の状態との関係についてはさまざまな研究が行われています。
本記事では、精子と熱の関係を解説したうえで、サウナや長風呂、夏の暑さなど、妊活中の男性が日常生活で気をつけたいポイントを紹介します。
【この記事の監修医師】
片山 典子
りんどうオンラインクリニック 産婦人科医
片山産婦人科 院長
経歴
2005年に医師免許取得。岡山県内、鳥取県内の総合病院で産婦人科医を歴任し、2021年より片山産婦人科に勤務(現院長)。2023年より、りんどうオンラインクリニックの産婦人科医を務める。
監修医からのコメント
全ての女性がココロもカラダも健やかに過ごすことができ、家族全員、そして地域全体の人々の健康につながるようサポートできればと思っています。今ある症状を改善するだけでなく、日々の生活習慣を見直し、根本から「不妊にならない」「病気にならない」「病気を繰り返さない」カラダづくりを目指す支援をしていきます!
【この記事でわかること】
目次
精子は熱に弱い性質があり、高温の状態が続くと精子をつくる働きに影響することがあります。ただし、一時的な暑さや入浴だけで不妊になるわけではありません。
精巣は陰のうの中に納まっています。これは、精子の生産には体温より低い温度環境が適しているためです。陰のうは精巣を包んで守っている皮膚の袋で、内部の筋肉が伸び縮みすることで温度が適正になるように調整します。暑い時には袋がゆるんで熱を逃がし、寒ければ袋が縮んで体に近づけ温めます。
精巣は体温より2~3℃低い環境で最も活発に精子を作ります。そのため、発熱や外部からの熱によって精巣の温度が上がると精子を製造するシステムに大きな障害が発生してしまいます。
さらに、新たな精子が作られて成熟するまでには約2~3ヶ月かかるため、高熱の影響も2~3ヶ月ほど残ることがあります。
近年の猛暑日が続く夏は、精子に影響が出るのでしょうか。気候との因果関係を考えてみましょう。
通常の夏の生活そのものを避ける必要はなく、熱中症を防ぐための配慮をすれば精子も守られると考えて良いでしょう。
熱中症を防ぐ配慮としては、以下のポイントを参考にしてください。
【熱中症対策のポイント】
高温の中での作業環境、長時間の屋外作業、熱源の近くで働く仕事などは注意が必要で、熱中症予防のためにも、こまめな休憩や暑熱対策などが必須となります。
妊活中は、サウナやお風呂の利用について注意が必要です。
精子は熱に弱いと聞くと、「昨日サウナに入ってしまった」と不安になる人もいるかもしれません。
一度サウナに入ったからといって、すぐに子どもができなくなったり、永久に不妊になったりすることはありません。サウナによる熱が精子に与える影響は一時的であり、約2ヶ月半から半年で元に戻るものだからです。
ただし、採卵やタイミングを合わせる時期の前は、一度の利用でも精子の質に影響を及ぼすリスクはゼロではないため、妊活を始めたらできるだけサウナは控えることをおすすめします。
サウナを継続的に利用した男性を対象とした研究では、精子の数や運動率が一時的に低下したことが報告されています。こうした変化は、サウナの利用を中止すると回復することも確認されています。
現在の研究で比較的注意が必要とされているのは、サウナなどによる高温への反復・継続的な曝露です。たとえば、80~90℃のサウナに週2回、1回15分、3か月間入った男性では、精子数や運動率の低下が認められました。一方、サウナを中止すると、その変化は時間とともに回復しました。
そのため、妊活中だからといって、一度サウナに入ったことを過度に心配する必要はありません。 一方で、頻繁にサウナを利用している場合や、長時間の高温曝露を繰り返している場合には、妊活中のリスク要因を少しでも減らすという意味で、利用頻度や時間を見直すことは選択肢の一つです。
サウナの利用については、医学的に「1回◯分まで」「月◯回まで」といった明確な安全基準が確立されているわけではありません。そのため、以下のように無理のない範囲で高温への曝露を減らすという考え方がおすすめです。
また、サウナだけでなく、熱い湯に長時間つかる習慣など、陰のう・精巣周辺を長時間温める状況にも注意が必要です。 高温への曝露が繰り返されるほど、精子形成への影響が生じる可能性があります。
特に人工授精や体外受精などの治療中で、採精の予定がある場合には、治療施設から具体的な指示があれば、それを優先してください。
精巣の温度を上昇させる状況はサウナ以外にもあります。特に注意したい生活習慣をいくつかご紹介しましょう。
PC本体からの排熱はもちろん、太ももを閉じた姿勢で使用するため熱がこもりやすくなります。膝の上での長時間使用はできるだけ控え、机に置くなどの基本的な対策を取りましょう。
冬場はヒーターや電気毛布、こたつなど、熱源を長時間にわたって陰のう周辺に当て続ける環境にも注意が必要です。
猛暑が続く夏場の生活を考慮すると、通気性に優れ蒸れにくい下着に替えてみるのもひとつの方法です。長時間締め付けが強い下着は熱がこもりやすく、通気性の悪い素材は放熱ができません。夏場を快適に過ごすためにも下着選びはとても大切です。
サウナや入浴後のビールを楽しみにしている方も多いですが、大量の発汗で体内は脱水状態にあります。そのうえでビールを飲んでしまうと、アルコールの利尿作用で水分はどんどん失われていき危険です。
猛暑で汗をかく環境では、アルコールやカフェインを含まないミネラルウォーターや麦茶をこまめに飲むことをおすすめします。さらに、ミネラルが豊富な塩を少しだけ舐めたり、黒糖を少しかじる、スイカを食べるなど発汗で失ったミネラルを補給することも重要です。
内臓はすべて繋がっているため、精巣だけに注目するのではなく、体全体のバランスを整えることも大切です。
生活リズムを整え、十分な睡眠を確保することが精子の質を保つ大切な要素です。仕事が忙しい毎日でも、睡眠時間だけはしっかりと確保するよう工夫しましょう。
特定の食品を食べれば精子が増えるという考え方よりも、バランスのよい食生活が大切です。豆類、ごま、海藻類、野菜、魚、きのこ類、いも類を和食で食べることがおすすめです。
喫煙は精子の量、正常形態率に悪影響を与えるほか、飲酒は睡眠の質を低下させたり、食生活の乱れを引き起こします。その結果、精子の量や質の低下につながります。どちらも男性不妊に関する生活習慣として捉え、妊活期間には避けてほしいことです。
肥満と精子数の関係は明らかです。特に、BMIが25以上の場合は適度な運動と食事療法による体重の適正化が健康維持の面でも重要です。
妊活における生活習慣のポイントの詳細は、以下の記事でも解説しているためぜひご覧ください。
「男性の妊活でできることは?精子の質を高めるサプリメント・生活習慣・食事を解説」
生活習慣を整えるだけでは精子の状態は判断できません。男性不妊では、精液検査をはじめ、必要に応じて泌尿器科的・内分泌学的評価などが行われます。日本の男性不妊症診療ガイドラインでも、原因評価に基づいた診断が重要とされています。つまり、「妊活=女性だけが取り組むもの」ではないということを知っておきましょう。
精子と熱について多く寄せられる質問とその回答をご紹介します。
A.自分の体温よりも高い温度、特に42度以上になると精子の質に悪影響を及ぼす可能性があります。
A.妊活中はできるだけサウナに入ることは避けた方が良いとされています。
A.妊活中でもお風呂に入ることは問題ありません。お風呂はリラックス効果があり、ストレスを和らげるのに役立ちます。ただし、精子の質を維持するためにも熱めの長風呂は避けましょう。
A.体温が上がるほどの高温環境はできるだけ避けましょう。また、暑さによるストレスや疲労も精子の質に影響を与えることがあるため、体調管理をしっかり行うことが大切です。
精巣は熱の影響を受けやすい性質があるため、長時間にわたる入浴や高頻度のサウナなど、精巣周辺が高温になる習慣は見直すことが大切です。
また、熱だけでなく、食事や睡眠、飲酒・喫煙など生活習慣全体を見直し、夫婦ともに体調良く過ごせるように心がけていきましょう。何をやればいいのかわからない時は、漢方サロンりんどうの体質改善プログラムを夫婦で取り組むこともおすすめです。
精子の状態が気になるならば、自己判断せず医療機関などで検査・相談することも妊活に対する安心につながります。
できることから少しずつ変えていくことで、未来への方向性が変わっていきます。
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