妊活に体重は関係する?BMIの目安と妊娠に向けた体づくりを解説

妊活中、「太っていると妊娠しにくい?」「痩せている場合も影響する?」「妊娠前にダイエットした方がいい?」と、体重が気になる方もいるでしょう。
体重やBMIは、妊娠のしやすさだけでなく、妊娠後の母体や赤ちゃんの健康とも関係する要素の一つです。一方で、BMIだけを見て「もっと痩せなければ」「体重を増やさなければ」と考える必要はありません。年齢、月経周期、持病、運動習慣などによっても適切な体重管理は異なります。大切なのは、妊娠に向けて「体重の数字だけを整える」のではなく、必要な栄養をとり、適度に体を動かし、睡眠や生活リズムを整えることです。
この記事では、妊活と体重の関係、BMIの計算方法、痩せすぎ・肥満によって考えられる影響、妊娠に向けた体づくりのポイントを解説します。

【この記事の監修医師】
片山 典子
りんどうオンラインクリニック 産婦人科医
片山産婦人科 院長

経歴
2005年に医師免許取得。岡山県内、鳥取県内の総合病院で産婦人科医を歴任し、2021年より片山産婦人科に勤務(現院長)。2023年より、りんどうオンラインクリニックの産婦人科医を務める。

監修医からのコメント
全ての女性がココロもカラダも健やかに過ごすことができ、家族全員、そして地域全体の人々の健康につながるようサポートできればと思っています。今ある症状を改善するだけでなく、日々の生活習慣を見直し、根本から「不妊にならない」「病気にならない」「病気を繰り返さない」カラダづくりを目指す支援をしていきます!

【この記事でわかること】

妊活中の体重は妊娠のしやすさに関係する?

体重やBMIは妊娠に関係する要因の一つです。特に、肥満は月経周期の乱れや排卵生涯、不妊との関連が指摘されています。一方、低体重や低栄養も月経や排卵などに影響することがあります。

また、体重は「妊娠できるかどうか」だけではなく、妊娠後の健康とも関係します。日本産科婦人科学会のガイドラインでは、妊娠前のやせは早産や低出生体重児など、肥満は妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病、帝王切開などのリスクとの関連が示されています。

ただし、BMIだけで妊娠できる・できないが決まるわけではありません。たとえばBMIが標準範囲でも、月経不順や排卵障害、甲状腺疾患などが隠れている場合があります。反対に、BMIが標準範囲から外れていても妊娠する方はいます。

月経が極端に不規則、数ヶ月生理がない、急激に体重が増減したなどの変化がある場合は、体重だけを原因と考えず、婦人科などの医療機関に相談しましょう。

まず知っておきたいBMIとは

BMIとは「Body Mass Index(ボディ・マス・インデックス)」の略で、身長と体重から算出する体格指標です。

BMIの計算方法

BMIは以下の計算式によって求められます。

BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)

たとえば、身長160cm、体重55kgの場合は、
55÷1.6÷1.6=約21.5となります。

日本では成人のBMIについて、一般的に以下のように分類されています。

BMI25以上は「肥満」に分類されますが、BMIだけで「治療が必要」「減量しなければならない」と判断するものではありません。健康状態や内臓脂肪、血圧、血糖なども含めて考える必要があります。

BMIはあくまで体格を見るための目安

BMIは簡単に計算できる一方で、体脂肪率や筋肉量、脂肪の分布などを直接評価することはできません。そのため、「BMIが少し高いから妊活のために必ず痩せる」「BMIが18.5を少し下回ったから必ず体重を増やす」と一律に考える必要はありません。
体重の変化に加えて、月経周期、食事量や食事内容、運動量、睡眠、血圧や血糖、持病や服薬なども含めて、自分の体の状態を確認しましょう。

体重が多く肥満傾向の場合、妊活にどのような影響がある?

そもそも肥満傾向にある場合、妊活にはどういった悪影響が出るのでしょうか。

排卵に影響する場合がある

脂肪が増えるとホルモンバランスが変わり、脳から卵巣への指令が上手くいかなくなり、卵子がうまく育たず排卵しにくくなります。
また、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の女性では、肥満やインスリン抵抗性を伴うことがあります。ただし、PCOSは太っている人だけに起こる病気ではありません。痩せている方にもみられるため、体重だけで判断することはできません。

妊娠後の合併症リスクにも関係する

妊娠前から体重を意識する理由は、妊娠のしやすさだけではありません。
たとえば、体重過多に伴い妊娠糖尿病を発症すると、4,000g以上の巨大児に成長し難産のリスクが高まるほか、生まれた後に新生児低血糖を引き起こすケースもあります。
そのため、BMIが高い場合は「妊娠するために急いで痩せる」というより、妊娠前から食事や運動などの生活習慣を見直し、健康状態を整えておくことが大切です。

なお、肥満によって引き起こされる妊娠後の合併症リスクについては、以下の記事でも詳しく解説しているためこちらも参考にしてください。

「妊娠糖尿病とは?原因や赤ちゃんへの影響、食事のポイントをわかりやすく解説」
「妊娠高血圧症候群とは?原因・症状・赤ちゃんへの影響と食事のポイントを解説」

痩せすぎの場合も妊活に影響する?

低体重や低栄養も、妊活を考えるうえで注意したいポイントです。BMI18.5未満は「低体重(やせ)」に分類され、特に食事量を極端に減らしている、短期間で体重が大きく減った、運動量に対してエネルギー摂取量が少ないといった状態では、月経周期や排卵に影響することがあります。

極端な体重減少は生理や排卵に影響することがある

体が必要とするエネルギーや栄養素が不足すると、体は生命維持を優先し、生殖機能に影響が出ることがあります。
過度な食事制限や極端なダイエットは、月経周期の乱れや排卵障害などを引き起こすリスクも。また、低栄養は骨量の低下など、妊娠だけに限らない健康上の問題にもつながります。

低体重は妊娠後にも注意が必要

妊娠前の低BMIは、早産や低出生体重児などとの関連が報告されています。
日本産科婦人科学会のガイドラインでも、妊娠前BMI18.5未満では、標準体重の女性と比較して早産や小さく生まれる児のリスクが高いことが示されています。
そのため、低体重の場合も「妊娠するために無理に体重を増やす」のではなく、必要なエネルギーや栄養素をしっかりとり、健康的な体づくりをすることが重要です。

妊活中はBMIいくつを目指せばいい?

では、妊活においてどの程度のBMIを目指せば良いのでしょうか。

「妊娠しやすいBMI」が一つに決まっているわけではない

「妊娠しやすいBMI」が一つの数字で決まっているわけではありません。
日本では成人のBMI18.5以上25未満が普通体重に分類されますが、これは「BMI18.5~24.9なら妊娠しやすい」という意味ではありません。
そのため、「妊活中はBMI○○を目指す」と一律に決めるよりも、現在の体格から健康的な状態に近づけていくことを意識しましょう。

目標体重は現在の体格や健康状態に合わせて考える

次のような場合は、自己判断で体重を大きく変えようとせず、医師や管理栄養士などに相談しましょう。

「何kgになればいいか」だけではなく、「その体重を健康的に維持できるか」という視点も大切です。

妊活中にダイエットしてもいい?

肥満などで減量が必要な場合、妊娠前に食事や運動を見直して体重を適正な範囲に近づけることは選択肢の一つです。一方で、妊活中だからといって、すべての人がダイエットをする必要があるわけではありません。特に、低体重の方や月経不順がある方が自己判断で食事量を減らすと、かえって月経・排卵に影響する可能性があります。

急激な減量や極端な食事制限は避ける

以下のような方法は、妊活中の体づくりとしておすすめできません。

体重の数字だけを減らすのではなく、必要なエネルギーやたんぱく質、ビタミン・ミネラルなどを不足させないことが重要です。

減量薬は自己判断で服用しない

妊娠を希望している場合、減量薬などを自己判断で使用するのは避けてください。
減量薬には妊娠中に使用できないものや、妊娠を予定する場合に一定期間前から中止が必要なものがあります。
たとえば一部のGLP-1受容体作動薬では、妊娠を予定する女性に対して投与中止時期が定められています。使用中の薬がある場合は、妊娠を希望することを医師・薬剤師に伝えて確認しましょう。

妊娠に向けた体づくりで意識したい4つのポイント

妊活中の体づくりでは、体重だけを見るのではなく、食事・運動・睡眠など生活全体を整えていくことが大切です。

1. バランスのよい食事を心がける

妊活中は、「○○を食べれば妊娠しやすくなる」という単一の食品に頼るよりも、毎日の食事で必要な栄養素をバランスよくとることを意識しましょう。

基本は、

を組み合わせ、食事全体のバランスを整えることです。

また、妊娠を計画している女性は、神経管閉鎖障害のリスク低減のため、通常の食品に加えてサプリメントなどから葉酸400μg/日を摂取することが望ましいとされています。

「妊活におすすめの食べ物ランキングTOP5|避けるべき食品や生ものの注意点も解説」
「妊活に葉酸はなぜ必要?効果・1日の量・いつから飲むかまで徹底解説」

2. 適度に体を動かす

妊娠前の運動については、一般的な目安として中等度の運動を週150分程度行うことが推奨されています。まとまった時間が取れない場合には、1回30分を週5日など短時間に分ける方法もあります。

たとえば、

など、自分が無理なく続けられる運動から始めるとよいでしょう。

運動習慣がない方は、いきなり長時間・高強度の運動をするのではなく、少しずつ活動量を増やしてください。
また、月経が止まっている、体重が急激に減っている、疲労が強いといった場合は、運動量を増やすより先に医療機関などへ相談することが大切です。

3. 十分な睡眠と規則正しい生活を心がける

妊活では、体重だけでなく生活リズムも大切です。

毎日の生活では、

などを意識してみましょう。

4. 体重の数字だけにこだわりすぎない

「痩せること=正しい妊活」ではありません。体重を気にするあまり、

月経周期、食事、睡眠、運動、体調などを含めて、自分の体を整えていくことを意識しましょう。

男性も妊活中の体重を意識した方がいい?

妊活は女性だけの問題ではなく、男性側の健康状態も大切です。
男性の肥満についても、ホルモン環境や性機能、精液所見などとの関連が研究されています。肥満は男性の生殖機能に影響する可能性があるため、男性も健康的な体重や生活習慣を意識することが大切です。

男性の妊活のポイントは以下の記事でも詳しく解説しているため、こちらも参考にしてみてください。

「男性の妊活でできることは?精子の質を高めるサプリメント・生活習慣・食事を解説」

FAQ

妊活中の体重・BMIについてよくある質問とその回答をご紹介します。

Q.BMIが高いと妊娠しにくいですか?

A.BMIが高い場合、排卵障害や不妊との関連が知られており、妊娠しにくくなる可能性があります。ただし、BMIが高いからといって妊娠できないわけではありません。また、BMIが高い場合の影響は、年齢、月経・排卵の状態、持病などによっても異なります。

Q.痩せすぎでも妊活に影響しますか?

A.はい。低体重や低栄養は、月経周期や排卵に影響することがあります。
妊娠前のBMIが低い場合は、早産や低出生体重児などとの関連も指摘されています。

Q.妊活中にダイエットしても大丈夫ですか?

A.肥満などで減量が必要な場合、妊娠前に食事や運動を見直すことは選択肢の一つです。
ただし、月経不順がある方は自己判断で食事量を減らすのではなく、必要なエネルギーと栄養素を確保することを優先しましょう。

Q.妊活中の理想的なBMIはいくつですか?

A.日本ではBMI18.5未満が低体重、18.5以上25未満が普通体重、25以上が肥満に分類されます。ただし、「このBMIなら妊娠しやすい」という一つの数値が決まっているわけではありません。BMIはあくまで目安として考え、月経や排卵、食事、運動、睡眠なども含めて健康状態を整えることが大切です。

Q.妊活中は何kgまで痩せればいいですか?

A.「何kgまで」という一律の目標はありません。身長によって適正とされる体重が異なるほか、年齢、月経・排卵の状態、持病、現在の体重や体重変化などによっても考え方は変わります。医師や管理栄養士などと相談しながら、健康的な体重を目指しましょう。

妊活では体重だけでなく健康的な体づくりを意識しよう

妊活では、痩せすぎ・肥満のどちらも、妊娠や妊娠後の健康に関係する要素の一つです。
BMIは自分の体格を知るための便利な指標ですが、「BMIが○○なら妊娠できる」「○kgまで痩せれば妊娠しやすくなる」と単純に考えるものではありません。

大切なのは、食事の栄養バランスや適度な運動、睡眠といった日々の生活習慣の積み重ねです。「体重を減らすこと」だけを目標にするのではなく、「妊娠・出産に向けて、自分の体を健やかな状態に整える」という視点を持ってみましょう。

妊活中の食事や生活習慣について、「自分の場合はどうしたらいいのだろう」と迷うこともあるかもしれません。漢方サロンりんどうの妊活オンラインサロン「妊娠力が爆上がりする体質改善プログラム」では、妊活に関するさまざまな情報を学びながら、妊娠に向けた体づくりをサポートしています。

体重や食生活をはじめ、日々の過ごし方について一人で悩まず、自分に合った妊活を考えていきたい方は、ぜひ「妊娠力が爆上がりする体質改善プログラム」もご活用ください。

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