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不妊治療を始めると、「仕事を続けながら通院できるだろうか」「急に休むことになったら、職場に迷惑をかけてしまうのでは」と悩む方も少なくありません。
不妊治療は、治療内容や月経周期、卵胞の発育状況などによって通院のタイミングが変わることがあるため予定を立てにくく、仕事との調整に難しさを感じる場面もあるでしょう。一方で、勤務先の休暇制度や柔軟な働き方を活用しながら、治療を続けている方もいます。
本記事では、不妊治療と仕事を両立したい方のために、通院の負担を減らすためのポイントや職場への伝え方、利用できる制度について解説します。
【この記事の監修医師】
片山 典子
りんどうオンラインクリニック 産婦人科医
片山産婦人科 院長
経歴
2005年に医師免許取得。岡山県内、鳥取県内の総合病院で産婦人科医を歴任し、2021年より片山産婦人科に勤務(現院長)。2023年より、りんどうオンラインクリニックの産婦人科医を務める。
監修医からのコメント
全ての女性がココロもカラダも健やかに過ごすことができ、家族全員、そして地域全体の人々の健康につながるようサポートできればと思っています。今ある症状を改善するだけでなく、日々の生活習慣を見直し、根本から「不妊にならない」「病気にならない」「病気を繰り返さない」カラダづくりを目指す支援をしていきます!
【この記事でわかること】
目次

厚生労働省が公表した令和5年度の調査では、不妊治療と仕事を両立できなかった理由として次のような回答が挙げられています。
出典:厚生労働省「不妊治療と仕事の両立に係る諸問題についての総合的調査」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_39168.html
この結果からも、仕事と治療の両立には時間のやりくりだけでなく、心身への負担や職場環境などさまざまな要因が関係していることがわかります。
一口に不妊治療といっても、治療法や通院のスケジュールは人によって異なります。
治療内容によっては、月経周期や卵胞の発育状況などに合わせて受診する必要があり、数週間前から通院日を確定できない場合もあります。そのため、急な受診と会議や出張、重要な業務が重なり、予定の調整に悩むこともあるでしょう。
また、診察そのものにかかる時間だけでなく、待ち時間や医療機関までの移動時間も考慮しなければなりません。通院のために仕事を休んだり、勤務時間を変更したりすることが続くと、職場への申し訳なさを感じる方もいます。
不妊治療と仕事の両立では、スケジュールの調整以外にも、心身への負担が生じることがあります。
治療に対する気持ちや負担の感じ方は人それぞれです。周囲には理解してもらいにくい悩みを、一人で抱えている方もいるかもしれません。
無理を重ねる前に、仕事の進め方や通院の方法、相談できる相手について考えてみることが大切です。

仕事と治療の両立を考えるときは、あらかじめ準備できることと、状況に応じて柔軟に対応することを分けて考えると負担を整理しやすくなります。
医療機関に相談しながら、今後どのようなタイミングで通院が必要になりそうかを確認しておきましょう。
例えば、次のような点を把握しておくと仕事の予定を考える際に役立ちます。
ただし、治療の進み方によっては予定していた通院日が変更になることもあります。
そのため、通院日をすべて確定させようとするのではなく、「この時期は受診が増える可能性がある」と幅を持たせて考えることがポイントです。
勤務先によっては、不妊治療と仕事を両立するためにさまざまな制度を利用できる場合があります。
不妊治療のための休暇制度がなくても、既存の有給休暇や柔軟な勤務制度を利用できる可能性があります。「専用の制度がないから、仕事を続けるのは難しい」と決めつけず、今ある制度の中で利用できるものがないかを確認してみることが大切です。
不妊治療をしていることを、職場の全員に詳しく説明する必要はありません。誰にどこまで伝えるかは、自分の気持ちや職場の状況に合わせて考えてよいものです。
例えば、上司や人事担当者への伝え方としては以下のようなパターンもあります。
治療内容や検査結果など、個人的な情報をどこまで話すかも自分で考えて構いません。
職場に話すこと自体に抵抗がある場合は、まず伝えたい内容を書き出してみると相談の準備がしやすくなります。
リンク:▶「妊活のことはどこまで人に話す?家族・友人・職場への伝え方と考え方」
不妊治療では、医師の判断や治療の状況によって予定していた日以外に受診が必要になる場合があります。そのため、職場に相談する際は休む予定の日を伝えるだけでなく、状況によって予定が変更になる可能性も共有しておくとよいでしょう。
例えば、次のような伝え方が考えられます。
「通院が必要なのですが、治療の状況によって受診日が直前に決まることがあります。できるだけ早く共有しますので、必要に応じて業務の調整について相談させてください」
あわせて、急な休みに備えて、次のような準備をしておくと安心です。
仕事と治療の両立に悩んだときは、一人ですべてを解決しようとしないことも大切です。
例えば、次のような相手に相談する方法があります。
治療については医療機関に、仕事の調整については勤務先に相談するなど、悩みの内容に応じて相談先を分けてみましょう。
また、パートナーと通院の予定や家事の分担、今後の働き方について話し合うことも負担を軽減するきっかけになります。
心身への負担が大きくなり、「仕事を辞めるか、治療を諦めるか」という二択に迫られる前に、利用できる制度や周囲のサポートを確認してみましょう。

不妊治療を受けていることを職場に伝えたいものの、どのように説明すればよいかわからない方もいるでしょう。そのような場合に活用できるのが、厚生労働省が作成した「不妊治療連絡カード」です。
不妊治療連絡カードは、不妊治療を受けている方や、今後治療を予定している方が、勤務先に治療について伝えたり、必要な配慮や両立支援制度について相談したりする際に活用できるツールです。医師が治療の実施予定時期や、仕事との両立にあたって配慮が必要な事項などを記載し、職場とのコミュニケーションに役立てます。
1. 厚生労働省の公式サイトから、不妊治療連絡カードをダウンロードする
2. 治療を受けている医療機関に、必要事項の記載を依頼する
3. 医師の記載内容を確認し、本人の申請欄を記入して勤務先の上司や人事・労務担当者などに提出する
4. 休暇制度や勤務時間の調整など、必要な配慮について相談する
カードの様式や記載例は、厚生労働省の公式ページで確認できます。
厚生労働省「不妊治療と仕事との両立のために」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_14408.html
ただし、不妊治療連絡カードは職場に対して治療について説明する際の助けになりますが、提出すれば必ず希望する休暇や勤務上の配慮を受けられるというものではありません。
カードをきっかけに、勤務先で利用できる制度や具体的な対応について話し合うことが大切です。自分の言葉だけで説明することが難しいときは、こうした公的なツールも選択肢に加えてみましょう。

不妊治療と仕事の両立が難しくなり、退職を考えることもあるかもしれません。
厚生労働省の令和5年度の調査では、不妊治療をしたことがある方のうち、仕事との両立ができずに退職したと回答した方は10.9%でした。この数字からも、治療と仕事の両立が難しく、退職を選択する方がいることがわかります。
では、このような悩みを抱えたとき、何を基準に判断すれば良いのでしょうか。
退職以外にも負担を軽減するための方法が見つかる場合があります。
例えば、次のような選択肢です。
利用できる制度は勤務先によって異なりますが、退職を決める前に相談してみることで選択肢が広がることもあります。
仕事と治療の両立の仕方は人によって異なります。今までどおりの働き方を続けることだけが両立ではありません。
勤務時間を変えたり、休暇を利用したり、必要に応じて仕事から離れる時間を設けたりすることも自分に合った方法を考えるうえで大切な選択肢といえるでしょう。
治療の進め方については医師に、勤務条件や制度については勤務先に相談しながら、今の自分にとって何が必要なのかを整理してみましょう。
心身への負担が大きい場合は、一度立ち止まって考える時間を持つことも必要です。周囲と比べたり、自分を責めたりせず、今の状況に合った選択を探していきましょう。

不妊治療は、通院日が直前に決まることや心身への負担が生じることなどから、仕事との調整が難しくなる場合があります。
仕事と治療の両立に悩んでいるのは、あなただけではありません。
まずは医療機関に今後の通院の見通しを確認し、勤務先の休暇制度や柔軟な働き方について調べてみましょう。必要に応じて、上司や人事・労務担当者に相談したり、不妊治療連絡カードを活用したりする方法もあります。
また、パートナーと気持ちや予定を共有し、家事や日常生活の負担を分担することも大切です。仕事を続けることも、働き方を変えることも、状況によっては仕事を離れることも、一人ひとりの事情に応じた選択です。
大切なのは、無理を重ねて自分を追い込むのではなく、利用できる制度や周囲のサポートを確認しながら、自分に合った方法を探していくことです。仕事と治療のどちらかをすぐに諦めるのではなく、まずは今できることから、一つずつ整理してみてはいかがでしょうか。
漢方サロンりんどうでは、妊活中の方が抱える心身の悩みに寄り添い、一人ひとりの体質や生活習慣に合わせた妊活サポートを行っています。仕事と不妊治療の両立に負担を感じている方や、日々の体調管理について悩んでいる方は、一人で抱え込まずぜひお気軽にご相談ください。
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